Hidekiのブログ

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自閉スペクトラム症の特性を活かして成功する方法

Hideki:今日は、発達障害の一つである自閉スペクトラム症の人がどのように社会で活躍しているか話すよ。
ないち:自閉スペクトラム症って?
Hideki:自分の世界を持っていて、ある特定のことはすごく得意なんだけど、人とのコミュニケーションを取るのが苦手な特性のことだよ。一般的に、現代社会ではコミュニケーションがうまく取れないと、仕事をしたり友人関係を築いたりするのが難しいと言われていて、自閉スペクトラム症ASD)の人は生きずらさを感じているんだ。でも、それは苦手な部分にばかり目を向けるからそうなりやすいのであって、得意なところをちゃんと周りにいる人が認めて活かしてあげれば、ASDでも大きな功績を残す人だっているんだよ。
ないち:ふーん、それって例えば?
Hideki:その辺をこれから話すね。
 
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登場人物紹介
Hideki - ITエンジニアで四児の父。内向的で少しオタク傾向がある。
ないち - Hidekiの一番上の息子。好奇心旺盛な小学生。自分の興味あることはガンガン調べるが、興味ないことは馬耳東風。
 
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ないち:そもそもなんだけど、自閉スペクトラム症って何か、もう少し詳しく教えて?
Hideki:「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つだよ。[2]
  どうして自閉スペクトラム症になるのか、その原因は分かっていないけど、生まれつき脳機能が一般的な人と異なる発達の仕方をすることによると考えられているんだ。
 
 
2.現代社会では、どんなハードルがあるの?
 
ないち:ASDだと、この世界ではどんなことに困るの?
Hideki:人に対する関心が弱く、他人との関わり方やコミュニケーションの取り方が独特なんだよ。相手の気持ちや状況といったあいまいなことを理解するのが苦手で、事実とか理屈に基づいた行動をとるから、普通に話しているつもりなのに相手から「なんてひどいことを平気で言うんだ」とか「もっと優しい言い方があるだろう」とか、不愉快な感情を抱かれてしまいがちなんだ。
ないち:ふーん、例えばどんな?
Hideki:例えば、小学5年生くらいのASDの子が、小学1年生が初めて漢字を習ってなかなか覚えられずに苦労しているのを見て、「こんな簡単な字もわかんねーのかよ!まじめにやってんのかよ!?」と本気で怒ったりする。1年生の子は、漢字を初めて習うから、勉強の仕方だってよく分からないし、覚えるのに時間がかかって当然なんだけど、その5年生の子には、今の自分の感覚で簡単な課題だと感じているから、1年生にとっても簡単なはずだと思い込んで、サボっていると考えたんだね。1年生の子にとって、何が難しいとか、表情を見て真剣にやっているかどうかとか、読み取ったり、言い方によって相手が傷ついたりしないか、などを想像したりすることができなくて、あんな発言をしてしまう。本人は悪気があるわけではなくて、いたって真剣に指導しているつもりなんだけどね。
ないち:それは確かに言われた方は嫌な気持ちになるかも。。
Hideki:うん。それで5年生の子が周りから一方的に避難されると、5年生の子は自分が何が悪かったのかよく納得できないまま、自信だけがなくなって、ひきこもりになったり、周囲からのいじめが発生したり、別の悪いことが起きたりするようになってしまうんだ。このASDの特性は、大人になっても消えるものではないから、この5年生の子が言ったようなことが、大人の仕事をしている人間同士の間で起きると、人間関係が悪くなって、物ごとがうまく進まなくなったりする。
ないち:そっかあ。じゃあさ、どうすればいいの?大人になっても治らないってことでしょ?
Hideki:そうだね、そもそも生まれ持った特性だから治すものって考えるのではなくて、うまく特性に合った生き方を見つけるっていうのが、より良い選択肢じゃないかなってお父さんは思うな。もちろん、子供から大人に成長するときに、ある程度、コミュニケーションのルールを、パターンで覚えていくことで、無用ないざこざは減らしていくことはできると思う。(それを療育っていうんだけど、詳しくは参考文献[2]のサイトなどを見てみてね。)だけど、特性を活かした生き方を見つけることが、本人と周りにとって、いちばん大事なんじゃないかな。
 
3.ASDの人はどんな風に活躍できる?
 
Hideki:例えば、オーストラリアにゴミ箱を清掃する事業を立ち上げた人がいるんだ。(Clay’s Bin Cleaning [1])
ないち:なんでいきなり事業を立ち上げたの?
Hideki:その人はクレイさんていうんだけど、クレイさんは高校生のときに、バイトをするために色んな職業の面接を受けたんだって。だけど、片っ端から断られて、どこも採用してくれなかったらしいよ。それで、結局、自分で新しい事業を立ち上げるしかないと思って、近所のゴミ箱を清掃して代金をもらうことを思いついたみたい。
ないち:採用してくれなかった理由は?
Hideki:ASDの特性があって、面接でうまく受け応えができなかったのかな。2年間も面接を受け続けて、ずっと落とされていたけど諦めなかったんだって。
ないち:確かに、面接みたいな短い時間だと、自分のことを上手に説明しないと、いいところを理解してもらえないし、接客業とかだとお客さんの自分勝手な注文とかにうまく答える力がないと難しいのかなって思った。でも、事業をはじめるのに、なんでゴミ箱掃除なの?
Hideki:競争がなく、初期費用(事業を始めるときに必要なお金)も不要で、誰かがしなければならなくて、自分にもできることを必死に考えたそうだよ。
ないち:それで、どうやって始めたの?
Hideki:まず、学校の放課後に、自分の住む近所の人たちに、ゴミ箱の掃除は必要ないか、自転車で宣伝してまわったんだって。そうしたら、意外と多くの反応があって、依頼がくるようになった。一箱につき10ドルだから、近所のお客さんたちは「安い」と感じてくれたんだ。
ないち:仕事自体は、いやじゃなかったの?ニオイとか臭そうじゃん。
Hideki:もちろん、臭いのは嫌だし、このクレイさんは感覚過敏ていう障害もあったから、普通の人以上に苦労したみたい。それでも、工夫して、掃除用の手袋、マスク、掃除用品を自分で考案して克服していったんだって。
ないち:クレイさんのお父さん・お母さんは、どう思っていたの?臭い仕事を息子が自分からしているのを見て。
Hideki:誇りに思っていたそうだよ。ゴミに捨てる埃じゃなくて、自慢に思う方の誇りね。高校を卒業してからも、自分の力で稼ぐ仕事を既に持っているってことだからね。オーストラリアでも障害を持つ人が仕事に就くのは難しくて、仕事に就けても、やめさせられるケースも多いから、自分で事業を立ち上げたクレイさんを頼もしく感じていたんだろうね。
ないち:それから、どうなったの?高校卒業した後は?
Hideki:自分に自信をつけることで、落ち着いて話すことができるようになり、追加注文をとるための交渉をしたりできるようにもなったんだ。すると、地域全体、市全体へとサービスの対象が広がって、とうとう一人では注文に応えきれなくなっていった。だから、クレイさんはクラスメートを雇って、仕事を分け合うようになった。最初は3人、それが10人、30人と増えていったんだよ。開業から1年後にはレストランなど、70以上の常連客を持つようになったんだって。
ないち:すごいね!どれくらい儲かっていたの?
Hideki:オーストラリアドルで、月に7000ドル。日本円だと月に60万円かな。でも、そこで終わりじゃなくて、更に事業を拡大したんだよ。家の敷地清掃、建設現場の廃棄物の引き取り、地下道の清掃、洗車、掃除一般と、ゴミの輸送に関係するお客さんの要求には、全て応えるようにまでなった。クレイさんは、会社の全ての問題を自分で管理して、交渉もしているそうだよ。
ないち:もしかして、クレイさんのお父さん達よりも稼いでいない?
Hideki:うん、そのとおりだね。お母さんも今では、クレイさんの事業を手伝っているそうだよ。
ないち:すごいなあ。
Hideki:ちなみに、車が大好きでメルセデスベンツとか、高級車を何台も購入しているんだって。F1を観戦するためにドバイへの旅行も計画中らしい。クレイさんいわく、「何があっても決して諦めてはいけない。この世界には誰にでも必ず自分の居場所があるはずだ。」って。
 
 
まとめ
Hideki:ASDのような発達障害・特性がある人でも、自分の能力を活かして、幸せに生きていける世の中になってくれるといいね。
ないち:うん。それにはやっぱり、そういう特性があるっていうことと、その個性の活かし方を、みんなが知ってくれるといいなあって思った。
 
 
参考文献